概要
マットレスの種類
マットレス種類のポイント
コイルマットレスには「ボンネル」と「ポケットコイル」がある
ウレタンマットレスには「低反発」と「高反発」がある
介護・医療用マットレスもある
マットレスを買い替えようと思い寝具売り場に行ったものの、いろいろな種類のマットレスがあってどれを買ったらいいのか迷う・・・
マットレスあるあるです。
個人用では「コイルマットレス」や「ノンコイルマットレス」の比較的安いコスパのよいマットレスが売れ筋ですが、介護に適したマットレスもあれば、看護専用のマットレスもあります。
マットレスには沢山の種類があるので、用途に応じて使い分ける必要があります。
個人向けのマットレスの種類
一般的なマットレスの種類は、大きく「コイルマットレス」と「ノンコイルマットレス」に分けられます。
ノンコイルマットレスは、ウレタンマットレスとも呼ばれます。
コイルマットレスには大きく「ボンネルコイルマットレス」と「ポケットコイルマットレス」があります。
ウレタンマットレスの中にも2つの種類があり、ひとつが「低反発マットレス」で、もう一方が「高反発マットレス」になります。
それぞれの特徴は正反対とも言えるもので、最近では圧倒的に高反発マットレスが支持されています。
その他では、ラテックス製マットレスやエアウィーヴに代表される高反発ファイバー製のマットレス、また近年では見なくなったウォーターベッドなどがあります。
種類 | 体圧分散機能 | 通気性 | メンテナンス |
ボンネルコイル | ○ | ○ | △ |
ポケットコイル | ◎ | ○ | △ |
低反発マットレス | ○ | ✕ | ✕ |
高反発マットレス | ◎ | ◎ | ◎ |
ラテックス | ○ | △ | △ |
高反発ファイバー | ○ | ◎ | ◎ |
ウォーターベッド | ○ | ✕ | ✕ |
介護・看護用マットレス
高齢化に伴い、介護や看護用のマットレスが注目されています。
病院用のマットレスは褥瘡ができにくい工夫がされていたり、介護用のマットレスは角度が電動で調整できるようになっています。
介護用のベッドでは、パラマウントやフランスベッドが有名です。
マットレスの種類①:コイルマットレス
コイルマットレスのポイント
ポケットコイルの方が上質
ボンネルコイルは振動が伝わる
コイルマットレスには「ポケットコイル」と「ボンネルコイル」の2種類がありますが、それぞれに特徴があり、寝心地や耐久性にも違いがあります。
ご購入後、後悔しないためにも、自分に合ったマットレスを選んでください。
構造の違い
ポケットコイルは、バネの数が多い上に、それぞれが独立している特徴があります。
一般的なシングルサイズで、ボンネルコイルのバネの数は約200本程度なのに対して、 ポケットコイルは約500本のコイルが体を支えてくれます。
コイルが多く、それぞれのコイルがポケット(袋)に包まれているため、 ポケットコイルマットレスの方が価格は高めですが、耐久性に優れています。
寝心地
ポケットコイルは、コイルが独立しているので、横揺れしない特徴があります。
隣で寝返りを打たれても響かないので、セミダブル以上のサイズで2人で寝る場合には最適でしょう。
ボンネルコイルは、スプリングが連結されているので横揺れを回避できません。
隣で寝返りを打たれると、横で寝ている人にも振動が伝わってしまうので、購入の際には慎重な判断が必要になります。
ポケットコイルは無理のない自然な体勢で快適に寝られます。
マットレスの種類②:ウレタンマットレス
ウレタンマットレスのポイント
低反発マットレスは腰痛が悪化する
高反発マットレスがおすすめ
最も支持されているマットレスは「ウレタンマットレス」でしょう。
ただし、体型や寝心地で選択が違ってくるので、用途に合わせて適切に選びます。
また、マットレスの硬さや厚さにも種類があるので、自分に合ったマットレスを慎重に選びましょう。
低反発マットレス
低反発とは、体重がかかると、ゆっくりと沈み込む特徴を持ったマットレスです。
重さをジワッと受け止めるような柔らかいウレタン素材でできているため、圧力や吸収・分散に優れているマットレスです。
トゥルースリーパーが代表的商品ですが、体重がかかる部分が沈み込んでしまうため、理想の寝姿勢の維持が難しくなります。
結果、腰痛を悪化させてしまうとの口コミや評判があり、最近ではブームが去り、売れ行きはイマイチのようです。
高反発マットレス
高反発とは、体の圧力が加わると、それを反発させようとする素材でできたマットレスです。
体が必要以上に沈み込まないので、自然な寝姿勢を維持でき、体が痛くなりにくい特徴があります。
特に腰痛に悩んでいる方にはおすすめのマットレスです。
おすすめは高反発マットレス
最近、最も売れているのが「高反発マットレス」です。
以前は、ウォーターベッドや低反発マットレスが流行りましたが、腰痛を発症する人が多く、悪い評判が広まり、今では下火になってしまったので、事実上「高反発マットレス」の一択になっています。
特に腰痛や肩こりのある方は、寝返りをサポートしてくれ、筋肉や靭帯の疲労回復機能がある高機能マットレスをおすすめします。
高反発マットレスで正しい寝姿勢を維持する
ニトリなどの家具量販店でマットレスを探している場合によく見るのが、マットレスをサイズだけで選んでしまうケースです。
毎日7時間前後、しかも10年以上一緒に寝るパートナーをサイズだけで選ぶなんてナンセンスです。
マットレスを単なるクッションとしか考えず、その重要性を理解されていない方はこのパターンに陥りがちです。
マットレスには睡眠時の体重による圧力を吸収・分散して、体の負担を軽減する機能があります。
いわゆる「体圧分散」です。
これにより、体全体の筋肉や関節を休息させるのです。
仰向けの体勢で寝ている場合、一番重い腰周辺に体重が集中します。
腰にかかる負担は体重の44%にも達すると言われています。
起床時、腰周辺に重さを感じるのは、睡眠時に不要な体重を腰が支えてしまっているためなのです。
睡眠中、1箇所に体重がかかりすぎないよう、人間は無意識で寝返りを打っています。
これにより、筋肉疲労を回復させようとしています。
しかし、寝返りの回数が増えすぎると深い睡眠の妨げになります。
寝返りの回数は少なすぎても、多すぎてもダメなのです。
つまり、よいマットレスとは、この寝返りをサポートしてくれ、睡眠を妨げず、しかも筋肉疲労の軽減に寄与してくれるものなのです。
人間は直立している状態が最も体に負担がなくストレスのない状態と言えます。
そのため、寝ている状態でも自然に立っているような姿勢をとるのが最も体に負担がなく、腰痛や肩こりの改善につながるのです。
その姿勢を維持できるマットレス選びが最も重要なポイントとなります。
理想的な寝姿勢は「背骨が緩やかなS字カーブを描いている状態」と言われています。
頸椎がやや前傾し、胸椎が背中よりになり、腰椎がお腹側に来るS字ラインです。
しかし、機能性の低いマットレスだと体重のおよそ半分が集中する腰の部分がどうしても沈み込んでしまい、腰椎が背中側に押されるような形になってしまいます。
その結果、理想のS字ラインを維持できなくなってしまうのです。
この状態では腰に負担がかかってしまい、腰痛を発症させてしまう可能性が高まります。
また、背骨全体のバランスが崩れてストレートネックなどの問題に発展する恐れもあるでしょう。
こうならないためにも、体圧分散に優れたマットレスを選ぶ必要があるのです。
高反発マットレスは寝返りをサポート
マットレスは硬すぎてもダメです。
板の上で寝返りを打つとゴツゴツしますが、あの感じをイメージしてもらえれば理解できるでしょう。
硬すぎるマットレスでは快眠は得られません。
しかし、柔らかすぎても体に負担がかかりすぎてしまいます。
フカフカのマットレスでは、寝姿勢が安定せず、特に体の中で一番体重がかかってしまう腰の部分が沈み込んでしまうので、その姿勢から寝返りを打つのは大変です。
寝返りの度に筋肉を使ってしまうので、それにより疲労が回復しない感覚を持ってしまいます。
場合によっては筋肉が炎症を起こし、それが原因で腰痛を発症してしまうかもしれません。
横向きであっても、仰向けであっても、結局は体圧分散がよくないと寝返りが安定しません。
結局、寝返りを打つ度に無駄に筋力を使い、体に大きな負担をかけてしまいます。
よい寝返りができる体圧分散のよいマットレスとは、仰向けに寝たときに腰の沈まず、自然に寝返りが打て、朝まで熟睡できるマットレスを指します。
一般的に、これを実現できるのが、高反発マットレスだと言われているのです。
高反発マットレスの通気性
日本は高温多湿の気候です。
特に梅雨時のジメジメ感は相当ですし、真夏のマンションの暑さは想像以上なので、毎晩汗ダクになって寝ている方も多いでしょう。
こんな状態のマットレスが衛生的であるはずがありません。
汗や皮脂は、カビやダニの原因になります。
カビやダニの発生を防止し、快適な睡眠環境維持のため、マットレスに通気性が求められるのは当然です。
特に6月~9月の気候に適した通気性のよいマットレス選びが重要になります。
また、定期的に陰干しできるのも大切な条件です。
低反発マットレスはスポンジ状の素材でできているので、汗を吸ってしまいます。
そして、洗濯ができません。
そのため、不衛生で臭いが取れないという致命的な弱点があります。
一方、高反発マットレスは通気性がよく、中には洗える商品もあるので、衛生的です。
さらに、比較的軽量なので、持ち運びが容易で、陰干しも簡単です。
通気性や衛生面を考えた場合でも、やはり高反発マットレスに分があります。
折りたたみの高反発マットレス
重量があるマットレスだと簡単には持ち運びができません。
特に高齢の方には難しい作業になります。
中でもコイルマットレスは一人での移動が困難なので、簡単に陰干しができません。
その点、高反発マットレス、特に「折りたたみタイプのマットレス」は有利です。
三つ折にできるなど、簡単に上げ下ろしができるタイプがあるので、とても便利です。
通気性がよく、軽い高反発マットレスであれば衛生的で長持ちします。
そんな高反発マットレスを選ぶのが、賢いマットレスの選択なのです。
高反発マットレスの寿命と買い替えタイミング
高反発マットレスの寿命は10年前後ですが、上下や裏表を入れ替えながら大切に使えば、15年程度は使用可能です。
それくらい高反発マットレスの耐久性は高いのです。
この寿命を考えれば、大人になってからマットレスを買い換える機会は、2~3回程度しかありません。
一人暮らしや結婚など、人生の節目以外では、あまり買い換える機会がないのがマットレスなのです。
そんな特性もあり、多くの人はマットレスの選び方について詳しくないと思われます。
一体、どんなマットレスを買えばいいのだろう?
高反発マットレスがよさそうだけど、ニトリがいいのか、東京西川Airがいいのか
高反発マットレスの中には、どんな種類があるの?
高反発マットレスの相場金額は?
と戸惑っている方も多いと思います。
マットレスを価格やブランド名、またはファッション性だけで選んでしまうと、後悔してしまうかもしれません。
マットレスは10年以上も体を密着される大切パートナーで、それも毎日6時間~8時間も共に過ごすのです。
こんなに時間を共有する商品は他にないはずです。
是非、自分のライフスタイルや健康状態に合った最高のマットレスを選んでください。
高反発マットレスを選ぶポイント
高反発マットレスを選ぶポイント
寝姿勢を維持できる機能性マットレスがおすすめ
寝返りが打ちやすい、自分に合ったマットレスがおすすめ
カビやダニの発生を抑える通気性抜群のマットレスがおすすめ
寝姿勢を保てるか
基本的な寝姿勢である仰向けで寝たときの状態を確認してください。
全身の力を抜いた状態の寝姿勢が心地よいと感じるマットレスを選ぶことが最低条件です。
仰向けの状態で腰とマットレスの間に2〜3cm程度の空間があると、理想的なS字カーブが維持できています。
一番体重がかかる腰部分が沈み込みすぎず、寝返りの際、体に不必要な力が入らないかなどを確認してください。
低反発マットレスの場合、マットレスが体全体に密着しすぎるので、正しい寝姿勢を維持できないと思われます。
自然な寝返りができるか
人間は睡眠中に寝返りを打つことで血流をスムーズにして、筋肉の疲労を回復させています。
そのため、スムーズに寝返りができないと、寝ている間に疲れが溜まってしまい、なんのために寝ているのかわからない状態になってしまうのです。
つまり、マットレスに求められる機能のひとつは「寝返りのしやすさ」なのです。
必要以上に体に密着しないマットレスで、寝返りをするときに余計な筋力を使わずに済む機能性を備えているのが条件になります。
通気性は確保されているか
マットレスは上手に使えば15年は持ちますが、数年で買い替えが必要になってしまうのは、通気性が悪く、カビやダニの発生が原因である場合が多いのです。
高温多湿の日本の気候に合った通気性のよいマットレスを選ぶのがなにより大切で、簡単に持ち運べて容易に陰干しできる重量のマットレスも必要条件になるでしょう。
特にカビやダニはアレルギーの原因になるので、特に小さいお子様のいるご家庭では注意が必要です。
高反発マットレスのまとめ
マットレス選びのポイント
マットレスは10年以上も使う相棒。適当に選ばない
寝返りが打ちやすい、自分に合ったマットレスを選ぶ
寝返りが打ちやすい高反発マットレスがおすすめ
人間は一生の1/3をベットの上で過ごすといわれています。
睡眠は人生に多大な影響を与えます。
睡眠の質を上げられれば、寿命が伸びるかもしれません。
人生の質を左右する高反発マットレスの選び方は、とても大切です。
妥協なく、慎重に判断してください。