どんな高級マットレスでも、残念ながら必ず劣化します。
マットレスには耐用年数があり、使用時間に比例してヘタっていきます。
マットレスのヘタりの中でも最も顕著な症状が「凹み」です。
特に腰周辺の凹みは、明らかな変形が確認できるケースです。
一度凹んでしまったマットレスは、残念ながら完全に復活できないので、買い替えるしかありません。
しかし、応急処置は可能です。
凹んだマットレスの買い替えを前提にしながらも、緊急避難的な対応で一時的な延命措置のやり方をご紹介します。
概要
凹みのない裏面を使う
マットレスが凹んでしまった場合、まず取るべき手段は「裏返し」です。
殆どのマットレスは両面使えるリバーシブル仕様なので、まずは裏面利用を試してみてください。
もし裏面に明らかな凹みがなければ、しばらくは使い続けられるでしょう。
尚、マットレスは定期的なメンテンスが必須です。
3ヶ月に1回程度は、裏表を入れ替え、マットレスのヘタりを予防しましょう。
定期的なローテーションにより、マットレスを長持ちさせられます。
上下(頭と足)を入れ替える
マットレスの頭の位置と足の位置の入れ替えもおすすめの方法です。
凹む場所のほとんどは体重がかかる腰やお尻部分なので、上下を入れ替えて凹みの位置を変えます。
凹んだ位置を若干でも変えれば、腰やお尻が沈み込まなくなり、正しい寝姿勢をキープできるようになる可能性が残ります。
また、エアウィーヴなどの三分割型のウレタンマットレスは、凹んでいる箇所を簡単に入れ替えられるので、気軽にメンテンスができる利点があります。
タオルで凹みを埋める
凹んでしまった箇所にタオルを敷いて、まずはマットレス表面の水平を確保した上で、その上から「マットレストッパー」や「マットレスパッド」などを敷けば、一時的に元通りに近い寝心地を回復できるかもしれません。
特に比較的厚めのマットレストッパーの活用がおすすめです。
高品質のマットレストッパーは、耐圧分散性に優れるので、大幅に寝心地を改善できる上に、腰痛対策にも効果的です。
マットレスの凹みによる寝心地の悪化を一時的に誤魔化せます。
しかし、その効果はあくまで一時的です。
長期的には、マットレストッパー自体も変形してしまうはずなので、その場しのぎの対応だとお考えください。
一度凹んでしまったマットレスは、買い替えが不可避なのです。
マットレスの凹みは腰に悪影響
マットレスの凹みの最大のリスクは「腰痛」です。
マットレスにヘコみがあると、正しい寝姿勢が維持できなくなります。
具体的には、腰が沈み「くの字」の寝姿勢になり、寝返りが打てなくなります。
その結果、血流が滞り、筋肉に疲労が蓄積し、腰に大きな負荷がかかってしまうのです。
この状態が続けば、影響は腰だけにとどまらず、背中や肩、首にまで波及する恐れがあります。
最終的には、慢性的な体の痛みに発展する危険があるので、マットレスに凹みができてしまった場合は買い替えが第一選択になります。
マットレスの凹みを防止する
マットレスの凹みは直せません。
凹んでしまったマットレスは廃棄するしかないのです。
本当はまだまだ使えるはずのマットレスでも、凹んでしまえば手の打ちようがありません。
そうならないためにも、マットレスの凹みは事前に防止するのがベスト。
そのために有効なのはマットレスの「ローテーション」、つまり定期的な位置の入れ替えです。
具体的には、マットレスを裏返したり、頭と足の位置を入れ替えるなどし、マットレスへの負荷を分散するのです。
3ヶ月に1回のサイクルで、マットレスの裏表と上下をローテーションすれば、体重が分散されるので、凹んでしまう可能性は低下します。
マットレスの寿命を延ばすためにも、定期的なローテーションが必須です。
ヘタりやすいマットレスの条件
低反発マットレスは寿命が短い
ヘタりやすいマットレスの代表格は「低反発マットレス」です。
低反発マットレスは、スポンジのような素材なので、劣化が早い特徴があります。
また、汗を吸い込みやすく、カビやダニが発生しやすい上に、洗えないので、あまり長く使えないのです。
さらに、反発力が低くく、睡眠時は常に凹んでいる状態になるので、正しい寝姿勢の維持が困難になります。
低反発マットレスは、そもそも腰によくないのです。
耐久性の面でも、機能性の面でも、低反発マットレスはおすすめできません。
ヘタりにくいマットレスの条件
ヘタりにくいマットレスは「高反発マットレス」「ポケットコイルマットレス」「ボンネルコイルマットレス」です。
高反発マットレスは、反発力が強く、耐圧分散性にも優れます。
体重を分散しやすい素材なので、ヘタりにも強いのです。
但し、すべての高反発マットレスがヘタらないわけではありません。
高品質でウレタンの密度が高い商品に限ります。
ウレタンマットレス密度はの耐久性に直結します。
密度が30D以上だと凹みにくいと考えていいでしょう。
内蔵のスプリングとウレタンの品質次第ですが、ポケットコイルやボンネルコイルマットレスは、比較的寿命が長いマットレスです。
とはいえ、1万円以下のコイルマットレスは、スプリングやウレタンが低品質なので、すぐに劣化する可能性が高いと言えます。
シモンズ、シーリー、サータなどの高級ブランドマットレスは15年程度使えるので、安心です。
マットレスの価格による耐久性の違い
マットレスの種類を問わず、価格と耐久性には強い相関があります。
低品質な安いマットレスは、当然ながら耐久性が悪く、ヘタりやすいと言えます。
特にニトリやイケアなどの家具量販店や楽天などのネット通販で買える1万円以下の激安マットレスは、総じて低品質なので、ヘタりやすいと考えて間違いないでしょう。
一方、高品質な素材を多用している高級ブランドのマットレスは総じて耐用年数が長くなっています。
安いけど長く使えないマットレスを頻繁に買い換えるのか。
それとも、いいマットレスを長く使うのか。
ライフスタイルに合わせ、検討するといいでしょう。