概要
マットレスの寿命
マットレスには寿命があります。
毎日、体重を支え続ける過酷な環境で使われる商品なので、マットレスは必ず消耗するのです。
では、その寿命はどのくらいなのでしょうか。
この答えを知っている人は意外に少ないでしょう。
それもそのはずで、正解は「決まった期間はない」からです。
一般的に安いマットレスは寿命が短く、高級マットレスの寿命は長い傾向にありますが、同じマットレスでも使う人や使い方によって寿命は異なってきます。
つまり、マットレスに決まった耐用年数はないのです。
とはいえ、せっかく買ったマットレスは、少しでも長く使いたいもの。
ここでは、マットレスの寿命を決定付けるウレタンの質や耐用年数を伸ばすコツなどを分かりやすく解説してきます。
マットレスの耐用年数はウレタン密度が左右する
マットレスの寿命は、一般的に安い商品で数ヶ月~2年程度、中級品で3〜10年程度、最高級品では15年程度がひとつの目安になるでしょう。
数ヶ月から15年にも渡る大きな差の理由はなんでしょうか。
それはズバリ、「ウレタンの密度」だと言えます。
ウレタン密度とは、マットレスに使用されているウレタンフォームの詰まり具合です。
もう少し専門的な言い方をすれば、ウレタンフォームの比重を意味します。
ウレタンフォームの密度が薄ければ、中身はスカスカ状態なので、当然耐久性もなく、すぐにヘタってしまうでしょう。
一方、ウレタンの密度が濃く、ギッシリと詰まっていれば、耐久性が高くなるとイメージできると思います。
つまり、ウレタンの密度がマットレスの寿命に大きく影響してくるのです。
マットレスのウレタン密度は「D」で表示される
マットレスのウレタン密度は「D」という単位で表示されます。
Dの意味は、密度の英単語である「Density」の頭文字。
一般的には「20D」~「50D」くらいが売れ筋です。
但し、ウレタン密度とマットレスの反発力は関係ありません。
ウレタン密度が高ければ、それに比例して反発力が高くなるわけではないので、この点は誤解しないようにしましょう。
ウレタン密度を高めるには、より多くの原料が必要になるため製造コストはアップします。
それがマットレスの価格に反映されるわけです。
しかし、単純にウレタン密度が高ければ高いほど、よいマットレスではありません。
あくまでコストと耐用年数の見合い、つまりコスパが重要なのです。
では、ウレタン密度によるマットレスの寿命について見ていきましょう。
密度20Dの耐用年数
密度20Dの寿命は、2年〜3年程度が限界でしょう。
楽天などで売られている1万円程度の格安マットレスは、その価格からも20D程度の密度の使用が限界だと思われます。
ウレタン密度は寝心地にも間接的な影響を与えます。
20D程度の格安マットレスは耐久性がイマイチであり、寝心地も悪い傾向にあります。
使い捨てを前提にしているのあれば構いませんが、長く使いたいのであれば、20Dはおすすめできません。
密度30Dの耐用年数
密度30D寿命は、約5年~8年になります。
30D程度のウレタン密度であれば、平均的な品質なので、すぐにヘタる心配はないと考えていいでしょう。
3万円~5万円くらいの有名高反発マットレスに多いウレタン密度レベルです。
密度40Dの耐用年数
密度40Dの寿命は、およそ8年〜10年と比較的長めで、高級な8万円以上のマットレスに使用されるケースが多いです。
40Dくらいの密度があると、耐久性に優れるため、長く使用できますが、その分、価格が高くなる傾向にあります。
さらに、40Dではウレタンフォーム自体の重量が気になるかもしれません。
女性や高齢者は、持ち運びに支障をきたすかもしれないので、マットレスの重さも考慮してください。
密度50Dの耐用年数
密度50Dの寿命は、10年以上が期待できるでしょう。
50Dは最高級マットレスで用いられるケースが多く、価格も10万円を超えるものが当たり前です。
正直、密度は40D程度で十分なので、50Dは若干オーバースペック気味な気もします。
長く使えても、その分高額になるので、50Dまでは必要ないかもしれません。
おすすめのウレタン密度
マットレスのウレタン密度は30Dが最低ラインでしょう。
30D以下のマットレスは、使い捨てか短いサイクルでの頻繁な買い替えを前提にした場合に限られるとお考えください。
より長く使いたい場合は、40Dもおすすめですが、50Dまでは必要ないかもしれません。
マットレスを選ぶ際は、密度30D以上を目安にすると後悔しなくてすむでしょう。
耐用年数が長いおすすめマットレス
耐用年数が長く、寝心地もよいマットレスおすすめは「雲のやすらぎ」「モットン」などが挙げられるでしょう。
雲のやすらぎは「35D」、モットンは「30D」と合格ラインです。
国内で製造されている雲のやすらぎやモットンは、長期間の使用に耐えうる耐久性だけでなく、寝心地も重視しているので、ウレタン密度も最低ラインを維持しています。
もちろん、雲のやすらぎやモットンは、合法的な耐久テストに合格しているので、品質に間違いはありません。
その他、海外産のマニフレックスやエムリリーもウレタン密度は十分です。
マニフレックスやエムリリーなどの世界的マットレスメーカーの製品であれば、ウレタン素材の品質はバッチリです。
長く使ってもヘタりは少なく、寝心地も長期間維持できるでしょう。
マットレスの寿命を伸ばすメンテナンス
マットレスの寿命はウレタン密度と大きく関係しますが、同時に「使い方」、言い換えれば「メンテナンス」が重要になるのは冒頭説明した通りです。
同じマットレスでも、メンテナンス次第では、寿命が5年くらい違ってきます。
特に高額マットレスの場合、せっかく買った以上、できるだけ長く使って、コスパをよくしたいもの。
日々の小さな工夫だけでマットレスの寿命は伸ばせるのです。
定期的な陰干し
ウレタン素材は汗を吸収しやすい特徴があります。
汗を吸ったままのウレタンマットレスを放置すると汗や皮脂の汚れによって悪臭を放つようになり、それがカビやダニの原因にもなります。
そして、ウレタン素材は徐々にボロボロになり、寿命を早めてしまうのです。
そうならないためには、定期的な陰干しが必須です。
風通しのよいところで陰干しをすると、吸った汗が蒸発するので、ウレタン素材が長持ちします。
結果、カビやダニの発生を防ぎ、マットレスの寿命伸延に繋がるのです。
布団クリーナーを使う
布団クリーナーを使って、マットレスの表面を衛生的に保ちましょう。
マットレスの上は、気づかないうちに皮脂やフケなどで汚れています。
それがダニの餌になり、どんどん睡眠環境を悪化させてしまうのです。
マットレスの衛生状態を維持するためには、せめて表面だけでもキレイにしておく必要があります。
布団クリーナーやハンディタイプの掃除機を使い、目に見えないゴミまで吸い取ってください。
これだけでマットレスの寿命を伸ばせるのです。
マットレスの保護アイテムを使う
陰干しや布団クリーナーの使用に加え、マットレスプロテクター、敷きパッド、ベッドパッドなどのマットレス保護アイテムの活用もおすすめです。
マットレスプロテクター、敷きパッド、ベッドパッドなどを上手く利用すれば、マットレスを汚れから守れるのです。
特に、防水のマットレスプロテクターは、寝汗を通さないためウレタン素材の保護に最適です。
子供やペットのおしっこ対策にも効果的でしょう。
シーツだけではなく、マットレスプロテクターとの併用がマットレスの寿命伸延につながるのです。