概要
寝ている間に体が痛くになる
日本人の国民病の「腰痛」「肩コリ」ですが、実は睡眠中に症状を悪化させてしまうケースがあります。
せんべい布団で寝ている場合などは、その可能性が高いかもしれません。
「腰の痛みで熟睡できない」「寝返りを打つ度に目が覚める」「寝起きで背中が痛い」などの事象があれば、睡眠環境の問題を疑ってみるべきです。
その際、改めて見直したいのが「マットレス」です。
マットレスと言っても「低反発」「高反発」「コイル式」「ノンコイル式」など、さまざまな形態がある上に、硬めや柔らかめで判断する反発力、さらに素材や大きさにも違いがあります。
価格もピンキリなので、多くの選択肢の中から自分に最適なマットレスを見分けるのは大変です。
最近は腰痛に効果のある「機能性マットレス」が人気を集めています。
そこで今回は、腰痛の緩和に最適なマットレスの選び方、そして、本当におすすめの腰痛マットレスをご紹介します。
痛み改善マットレスの選び方
腰痛マットレスのポイント
寝心地の違いで選ぶのがひとつの方法
「コイルマットレス」と「ウレタンマットレス」の寝心地は違う
睡眠時の腰痛と寝姿勢は密接な関係があります。
腰が「くの字」に曲がる寝姿勢であれば、それが腰痛の原因になり、首に負担がかかっていれば背中全体が痛くなるでしょう。
そうならないためにも、マットレス選びがとても重要になります。
機能性マットレスなら、不自然な寝姿勢になりません。
寝姿勢が改善されれば、腰や背中にかかる負担が改善するので、自分の寝姿勢と腰痛の緩和に寄与するマットレスを見つけてください。
寝心地に合わせる
マットレスは多種多様です。
一般的には「コイルマットレス」と「ウレタンマットレス」に大別されますが、コイルマットレスとウレタンマットレスでは、寝心地がまったく異なります。
当然、体の痛みに対する効果も違うので、マットレスの種類を知っておくのは重要なのです。
ボンネルコイル
内部にはコイル(スプリング)が並べられ、その適度な空間が湿気を逃しやすくしているので、通気性は抜群です。
また、コイルが体圧を分散するので寝心地は緩やかで、面で身体を支えるのでフィット感は悪くありません。
価格は手ごろなものが多く、比較的購入しやすいのも魅力です。
ただコイルの反発が弱い場合には、予想以上に腰部分が沈み込むので注意が必要です。
できれば店頭で実際に寝てみてください。
ネット通販の場合は、口コミをチェックするなどし、商品の特性を把握してください。
ポケットコイル
コイルが一つずつ不織布に入った状態で分離した構造なので、体圧分散に優れ、腰への負担が少なめです。
コイルが独立しているため、互いに干渉せず、横揺れがなく、隣で寝返りを打っても全体が揺れません。
そのため2人で使うのに適しています。
また、点で支える構造なので、体圧分散に優れ、ボンネルコイルマットレスよりも自然な姿勢で眠れます。
欠点はマットレス内に湿気が溜まりやすい点です。
湿気対策用のベンチレーション付きを選ばないとカビが発生してしまいます。
ウレタンマットレス
腰痛マットレスの代名詞で、比較的価格が安いため、最も人気があります。
低反発マットレスから高反発マットレスまで、種類が豊富で好みの硬さを選びやすい点も支持される理由です。
ベッドに敷いて使える上に、布団やフローリングに敷いて使える商品も多いため、万人受けするマットレスと言えます。
日常的に布団の上げ下ろしをする方には、収納に便利な3つ折りタイプがおすすめです。
S字カーブを維持するためにできること
硬すぎるマットレスに横になると腰や背中など、出っ張っているところだけで体重を支えるので、全身の筋肉の緊張状態が解消できず、ゆっくり寝られません。
これは寝ながら筋トレをしているようなものでしょう。
一方、柔らかすぎるマットレスでは、最も体重がかかる腰の部分が沈んでしまうため、背骨のS字カーブは崩れてしまい、不自然な寝姿勢になります。
いずれの場合も理想的な体圧分散ができていない状態なので、腰痛を悪化させる原因になります。
適度な硬さで下から支えてくれ、正しい体圧分散を実現できるマットレスを選ぶようにしてください。
体の痛みに効果的なのは「高反発マットレス」
高反発マットレスおすすめポイント
腰痛緩和にはウレタンの高反発マットレスがおすすめ
「モットン」「雲のやすらぎ」「マニフレックス」などがおすすめ
ニトリやエアウィーヴは検討の必要あり
マットレスには大きくわけて「コイルマットレス」と「ウレタンマットレス」がありますが、腰痛や背中の痛みが改善できる機能性マットレスは、おおよそ「ウレタンマットレス」です。
中でも腰痛改善には「高反発マットレス」が最適です。
もし腰痛や肩こりを改善したいのであれば、高反発マットレスの一択になります。
アスリートが使用している「東京西川」や「エアウィーヴ」なども、高反発マットレスの一部ですし、世界的ブランドの「マニフレックス」やマンチェスター・ユナイテッド公式マットレスの「エムリリー」、さらに最近売れている「モットン」や「雲のやすらぎ」も高反発マットレスです。
睡眠科学の進展により、ウレタン製の高反発マットレスは急速な進化を遂げており、年々腰痛改善の実績を積み上げています。
マニフレックス
野球の山田哲人選手など、多くのアスリートが使っているマットレスです。
筋肉の疲労回復に優れているため、アスリートから多くの支持を得ています。
エムリリー
世界的なサッカーチームである「マンチェスター・ユナイテッド」の公式マットレスです。
トップアスリートが使うマットレスなので、その機能はお墨付きと言ってもいいでしょう。
モットン
50歳まで現役だった球界のレジェンド山本昌投手が愛用していたマットレスなので、疲労回復や腰痛改善の効果が期待できるでしょう。
インターネット上の口コミや評判を見ても悪評は少なく、安心して買えるマットレスで、90日間の返品保証があるので、試し買いができます。
雲のやすらぎ
大相撲の千代丸関愛用のマットレスとして有名です。
マットレス自体に17cmもの厚みがあるので、大柄な人ても底づき感がありません。
整形外科医と共同で開発しているので医学的なエビデンスがあります。
布団に近い感覚で寝られるので、現在布団を使っている方の買い換え用におすすめです。
ニトリの腰痛マットレス
家具量販店国内NO1のニトリでも腰にいいマットレスは売られています。
しかし、残念ながらニトリはマットレス専門メーカーではありません。
ニトリのマットレスは外注工場によって作られているのです。
ニトリのマットレスは安い割に高品質ですが、腰痛改善の機能に優れているとまでは言い切れないでしょう。
腰痛を本気で治したいなら、専門メーカーのマットレスや東京西川のAir、マニフレックスなど、アスリート御用達のマットレスをおすすめします。
エアウィーヴの腰痛マットレス
浅田真央さんや羽生結弦選手、テニスの錦織圭選手などをサポートしているエアウィーヴも腰痛に効果があると言われていますが、基本的には現在使用しているマットレスの上に敷くトッパーなので、劇的な効果は期待できないかもしれません。
腰痛マットレスよりは、コンディショニングをサポートするマットレスの位置づけかもしれません。
高品質のマットレスであるのは間違いありませんが、価格も高いので、類似するマットレスで代用する手もあります。
マットレスの硬さ(反発力と密度)
硬さのポイント
体型や体重で硬さを決める
密度も要確認
「反発力」「密度」「体圧分散」などが、主たるマットレスの選択基準です。
これらの組み合わせにより、腰痛改善の度合いが決まってきます。
それぞれが自分に合うよう、以下のポイントもチェックしてください。
反発力は「ニュートン値」と「体重」とから選ぶ
ウレタンマットレスの反発力はN(ニュートン)で表示されます。
Nの値が大きいほどマットレスの硬さが増します。
一般的に100N以上のものは硬め、100~60が普通、60N未満は柔らかめとされています。
低反発マットレスなら60N未満が多く、高反発マットレスは100~200Nのものが最も売れ筋です。
睡眠時に最も体重がかかるのは腰なので、腰痛の方はここが沈まないよう、やや硬めのマットレスを選んでください。
つまり、自ずと高反発マットレスを選択することになります。
低反発マットレスは柔らかすぎて腰が沈み込んでしまいます。
さらに自分の体重を考慮し、反発力を選びます。
明確な基準はありませんが、女性や子供など、体重が50kg以下の場合は100~150N、50~80kgの一般成人の場合は120~170N、80~100kgの大柄な男性なら140~180Nを選ぶとよいでしょう。
密度を確認する
ウレタンマットレスの耐久性を測る尺度に「密度 D(kg/㎥)」があります。
低密度のものは、ヘタりやすいため、製品自体の寿命が短めです。
高密度になるほど長持ちはしますが、その分高価格になります。
おおよその目安としては、25D以上を選べば間違いないでしょう。
ちなみに、20~25Dは低価格なマットレスなので、3年ほどで寿命を迎えるケースが多いようです。
25~30Dのものはやや高額になるものの、比較的長持ちするので結局はお得です。
マットレスは重量や通気性も重要
マットレスのメンテナンスポイント
通気性や重量を考慮すること
マットレスカバーやマットレスパッドを併用すること
マットレスの重量
睡眠中はコップ1杯の汗をかくので、マットレスは湿気を含んだ状態になりやすいもの。
常に衛生的な睡眠環境を維持するためにも、できれば風通しのよい場所で定期的な陰干しをしたいところです。
とはいえ、面倒になって、ついつい放置してしまうのが現実で、結局、カビやダニを発生させてしまい、マットレスの寿命を縮めてしまうのです。
そうならないためにも、マットレス自体の重量を忘れずに確認しておく必要があります。
重たいマットレスは移動が大変なので、どうしても陰干しや上下や両面のローテーション作業が滞ってしまうのです。
結果、せっかく買ったマットレスがカビだらけで、すぐに使えなくなる悲惨な状況になるのです。
このメンテンンスのしやすさは見過ごされがちですが、とても大切な要素です。
マットレスの通気性もチェック
マットレス自体に湿気を逃がしやすい工夫があるか、防カビや消臭性はあるかも大切です。
さらに、カビが発生してしまった場合のメンテンンス性などもチェックしてください。
エアウィーヴなどのファイバー系のマットレスパッドは、ぬるま湯で丸洗いができるなど、メンテンンス性が向上しています。
丸洗いできないまでも、軽く拭けるマットレスであれば、衛生的な環境を維持できます。
低反発マットレスで痛み悪化
低反発マットレスのポイント
低反発マットレスは腰痛が悪化するリスク大
低反発マットレスは寝返りが打てない
低反発マットレスは絶対におすすめできません。
インターネット内の口コミや評判でも、低反発マットレスは腰痛によくないとの書き込みに溢れています。
NHKの「ためしてガッテン」で睡眠時の腰痛を特集していました。
寝ている間、体重の40%が腰にかかります。
すると、腰周辺の血流が滞ります。
血流が悪くなることで、筋肉や靭帯の疲労物質が放出されず、疲労が蓄積されていってしまうのです。
これが睡眠中の腰痛の原因です。
寝返りが打てずに背中の痛み悪化
この状態を作ってしまうのが「低反発マットレス」なのです。
寝ながらにして、自ら腰痛や肩痛を悪化させてしまうので、やわらかすぎる低反発マットレスは、絶対に使ってはいけません。
低反発マットレスは腰が沈み、その結果、寝返りが打ちづらくなります。
すると、さらに血流が滞り、余計に腰痛が悪化するのです。
低反発マットレスは、この悪循環を引き起こすので、腰痛持ちや肩こりの人にはおすすめできません。
寝具店で高反発マットレスに寝てみる
店舗で高反発マットレスに寝る際のポイント
計測器のあるマットレス専門店に行ってみるのがおすすめ
通販で買うのが賢い方法
寝心地や自分に合ったフィーリングなどは、実際に寝てみないとわかりません。
インターネットで高反発マットレスの口コミや評判は検索できますが、それでも可能な限り寝具店での確認をおすすめします。
仰向けや横向きの姿勢をとったり、寝返りを打ってみたりして、特に腰部分の沈み具合をチェックしましょう。
最も理想とされる寝姿勢は、直立時と同様のS字カーブを描いた状態です。
腰への負担を減らすためにも、腰痛持ちの人は沈み込みを確認しておきましょう。
店舗によっては、寝姿勢計測機が導入されているので、科学の目で寝姿勢を確認できます。
マットレスは通販(Amazon)で購入しても大丈夫
マットレスは必ず店舗で買わなければいけないわけではありません。
楽天やAmazonで口コミを確認すれば、わざわざ店舗で寝てみなくてもマットレスの優劣は把握できます。
さらに、ウレタンマットレスは、圧縮して持ち運べるため、通販でも簡単に買えます。
軽量なので、送料を気にする必要はありません。
もちろん、簡単に梱包を外せます(以下動画参照)。
当然、店舗で買うより、ネットで買った方が安い場合が多いので、店舗で試しに寝てみて、ネットで買うのが最も賢い方法かもしれません。
電位医療マットレスで痛みを緩和
電気毛布とは違い、完全に医療の範囲に属するマットレスがあります。
「寝ている間にできる積極的な健康」をコンセプトに誕生した家庭用医療機器が京都西川の「ローズテクニー」です。
電位治療と温熱治療という2種類の治療法を通して、体の痛みを緩和させてくれます。
身体を芯から優しく温める温熱・自律神経を整える電位の交互治療が特徴で、頭痛、肩こり、腰痛だけではなく、冷え性の方にも効果があると言われています。
日頃なんとなく感じる不調を改善したい方におすすめです。
京都西川 ローズテクニー
タイプ | 家庭用医療機器マットレス | サイズ | 幅約90 × 長さ約200 × 高さ3cm |
重量 | 約5kg | 素材 | 特殊カーボン面発熱体 |
痛み緩和マットレスのまとめ
腰痛マットレスのポイント
高反発マットレスがおすすめ
マットレスは健康への投資!
腰痛や肩こり改善に最適なマットレスの選び方をご紹介しました。
腰痛の原因は、日中のデスクワークで姿勢が悪くなっている場合、以前のスポーツで痛めたケース、スマホゲームのやりすぎで何時間も同じ姿勢で過ごす場合が多いなど、千差万別ですが、そのすべてに関連すのが睡眠です。
人間は毎日6~8時間は寝るので、その間に腰や背中を痛めてしまう場合があります。
ちょっとした腰痛が睡眠姿勢のせいで、余計に悪化してしまうケースは本当に多いのです。
逆に言えば、寝姿勢さえよければ、ちょっとした腰痛程度なら改善できてしまうのです。
整体やマッサージに払うお金で、いいマットレスを買って、腰痛を改善した方がお得かもしれません。
是非、マットレスを中心とした睡眠環境を見直し、腰痛や肩こりを改善してみてください。