概要
寝返り不足で腰痛が悪化する
ふわふわした柔らかい寝心地のマットレスを使えば、腰の負担が減るので、腰痛が緩和されるとお考えではないでしょうか?
実はこれが大きな間違いなのです。
腰痛緩和どころか、逆に腰痛を悪化させてしまう原因になります。
柔らかいところに寝ると、どうしても体の一部が不自然に沈み込みます。
具体的には、一番重たい腰周辺が沈み込みますが、これにより腰を支える筋肉に一晩中、力が入ってしまうので、寝ながらにして筋トレをしているような状態になってしまうのです。
これでは疲労が回復するどころか、寝ながら腰痛の芽を育てているようなものなのです。
柔らかいマットレスは寝返りが打てない
腰が沈み込んだ状態で寝返りを打とうとすれば、どうでしょうか。
無駄な力が必要になり、余計に力んでしまい、筋肉やじん帯を酷使する結果になってしまうのです。
これが睡眠中に腰痛や肩こりを引き起こしてしまう要因なのです。
NHKの「ためしてガッテン」でも柔らかすぎるマットレスの弊害に言及していました。
柔らかいマットレスでは、腰が沈み、寝返りが阻害されるので、血流が悪くなり、疲労が蓄積されてしまうのです。
一時期、低反発マットレスが流行りましたが、あれは完全に腰が沈んでしまうので、絶対におすすめしません。
腰痛を悪化させてしまう可能性があります。
体全体が包み込まれるような心地よさがあるので、クセになりますが、腰痛持ちの方が使うべきマットレスではありません。
マットレスの硬さと寝返りの関係
睡眠時に脊椎を適切な状態に保ち、寝返りがしやすい状態を維持できるマットレスの条件はなんでしょうか。
「柔らかすぎず、そして硬すぎない」のが睡眠時の姿勢を保てるマットレスの条件です。
睡眠時に背骨が自然なカーブを描くのが正しい睡眠姿勢の条件と言えます。
頭と肩と腰に重さがかかりすぎず、適度に重量を分散してくれるマットレスが必要であり、この条件を満たしていれば寝返りも上手に打てるはずです。
寝返りを軽視する人がいますが、これは大きな誤りです。
人は寝ているとき、寝返りを打つことで血流を活発にします。
血流がよくなれば老廃物が運ばれていきます。
つまり、血流により、疲労が蓄積しないよう、身体のバランスを取っているわけです。
言い換えれば、寝返りを打つことで、腰痛を緩和しているのです。
しかし、マットレスが硬すぎたり、柔らかすぎたりして、適度な寝返りが打てないと、腰周辺の筋肉に疲労が蓄積してしまいます。
疲れを取るはずの睡眠が、逆に疲れを溜めてしまう皮肉な結果になるのです。
そのためには、寝返りが上手く打てる硬さのマットレスが重要になります。
硬すぎるマットレスは腰痛のリスク
睡眠の研究が進んでいる現在では、寝返りがしやすい適切な硬さのマットレスがベストなのが常識になっていますが、それでも「マットレスは固い方がいい」と頑なに信じている方が少なからずいます。
中には畳と布団の間にベニヤ板を引いて本当に固い寝床を作ろうとする方もいるくらいです。
また、フローリングの上に薄い布団を1枚引いて、その状態で寝ている人もいます。
いくら硬いマットレスの好みとは言え、これではやり過ぎだと言わざるを得ません。
底づき感があれば、快眠はできないでしょう。
硬いマットレスを使うと背骨が逆くの字形に反ってしまいます。
いわゆる、えびぞりの姿勢に近い状態で寝てしまうのです。
その結果、腰椎と股関節を結ぶ大腰筋が過度に緊張してしまい、朝起きた途端に激しい腰痛を発症するようになってしまうのです。
高反発マットレスは腰痛になりにくい
具体的に寝返りが打ちやすいマットレスは「高反発マットレス」でしょう。
高反発マットレスと聞くと「硬すぎるのではないか」「ゴツゴツして寝られないのではないか」「背中が痛くなるのではないか」とイメージされるかもしれませんが、まったくそんなことはありません。
高反発マットレスは、寝返りのしやすさを主眼にしたマットレスですから、やや硬く感じるかもしれませんが、その分、反発力があり、寝返りのサポートが期待できるのです。
適度な反発力が、寝返りを補助してくれるイメージです。
体全体が沈み込まないので、楽に寝返りが打て、寝返りを打つ度に全身の筋肉を使わなければいけなくなることがありません。
自然に寝返りを打つなら、やはり高反発マットレスが適しているでしょう。
寝返りが打ちやすいのは、即ち「腰痛になりにくい」こと。
そのため、高反発マットレスは「腰痛マットレス」と呼ばれるのです。
マットレスの劣化による腰痛
ヘタったマットレスは腰痛の原因なる
長年使っているマットレスは、経年劣化によるヘタりを疑ってみる必要があるでしょう。
一流ブランドのマットレスは高品質なので、大切にすれば15年以上は使えますが、それでもいつかは寿命がきます。
これは毎日使う寝具であるマットレスの宿命かもしれません。
特に、最も体重がかかる腰部分が凹んできてしまうのは避けられないでしょう。
予防策としては、定期的に上下を回転させたり、裏返すなど、一箇所に体重がかからない工夫をですが、これを怠ると寝ながらにして腰がくの字に曲がりすぎてしまうことになります。
これでは寝返りも打ちづらくなり、腰を支えている筋肉が緊張し血流も悪くなってしまいます。
このような状態を放置していると、朝起きた瞬間から腰に激痛という最悪の状態が起こりうるのです。
頭痛や肩コリの危険もある
また、機能が落ちたマットレスは、頭痛や肩コリの原因にもなります。
腰と背中は関連しており、背中と肩はつながっています。
肩と首は連動していますし、首と頭は密接な関係にあります。
腰痛だけをケアすればいいわけではありません。
すべての部位の痛みの原因は通底しているのです。
ヘタったマットレスによって、痛みの原因をつくらないのが大切なのです。
低反発マットレスは耐久性がない
特に低反発マットレスの場合は、ヘタりが進行しやすいので気をつけてください。
低反発マットレスは、スポンジ状の素材を使っているので、どうしても耐久性に劣ります。
また、洗濯ができないため、臭いやカビの発生リスクがあります。
メンテナンス性に乏しいので、長期の使用ができない可能性が高まるのです。
一方、高反発マットレスであれば、寿命が長いので、ヘタりの進行も遅くなります。
マットレスの劣化による腰痛の発症をケアする意味でも、やはり高反発マットレスに優位性があると言えます。
腰痛対策マットレスの選び方
マットレスを選ぶ際には柔らかすぎず、そして硬すぎないとの条件を念頭に置いた上で、まずはいちど実際に寝てみて、その感触を確かめた上で自分にあったマットレスを選びます。
マットレスメーカーのショールームや百貨店の寝具売り場では、実際のマットレスに寝られます。
都市部はもちろん、地方であっても、実際のマットレスに触れられる百貨店や寝具店はあると思います。
もちろん、カタログで見たり、インターネットで調べたりして商品の知識を仕入れられます。
特にインターネットで口コミを調べれば、おおよその評価は理解できると思います。
確かに、これだけでも十分かもしれません。
とりわけ、一流メーカーのマットレスであれば商品力は間違いないので、買っても失敗はしないと思います。
しかし、百聞は一見に如かずです。
やはり、実際のマットレスに寝ることです。
マットレス選びのポイントは、実際の寝心地の体験です。
しかも、15分程度は寝てみましょう。
仰向けになって寝るだけではなく、実際に寝返りを打ってみます。
そして、寝返りの打ちやすさを確認した上で、体圧分散性質が自分に合っているかどうかを感覚的に知るのです。
低反発マットレスで腰痛に
以前は「トゥルースリーパー」や「テンピュール」の爆発的な人気により、低反発マットレスが売れ筋マットレスになっていました。
NASAが宇宙飛行士用に開発した素材の目新しさと徐々に体が沈んでいく不思議な感覚が新鮮で気持ちがいいと人気になりました。
NASAが開発した新素材が「腰痛にいいのではないか」と評判になり、それまで腰痛に悩んでいた人が、こぞってトゥルースリーパーやテンピュールのマットレスを購入したのです。
そして、その後は各メーカーも低反発マットレスを販売しましたが、それは一過性のブームに過ぎませんでした。
最初は口コミなどで人気になった低反発マットレスも、実際に使用してみると「腰が沈む」「寝返りが打てない」「腰が痛くなった」「肩こりが悪化した」などの悪い口コミが多くなってきてしまい、次第にブームは下火になっていったのです。
このような低反発マットレスの歴史を振り返ってみてわかるように、低反発マットレスは寝返りが打ちづらいので腰痛や肩こりを悪化させてしまいます。
どう考えても、寝返りを自然な力でサポートしてくれる高反発マットレスの方が腰痛には効果を発揮します。
口コミから腰痛対策マットレスを選ぶ
私の経験とインターネット内の口コミや評判から、寝返りがしやすい高反発マットレスを選ぶ際のポイントを抽出してみました。
どの口コミを見ても、おおよそ以下のポイントで購入前チェックをしているケースが多かったです。
メーカーや店舗の宣伝文句を鵜呑みにせず、Amazonや楽天などのショッピングサイトの口コミ・評判を参考に寝返りがしやすい高反発マットレスを選んでみてはいかがでしょうか。
■腰痛の人にとって、なにより寝心地が良いこと
■とにかく寝返りがしやすいこと
■耐性テストの結果、丈夫であり、長持ちして保証があること
■使用素材がアレルギーなどに反応しないこと(国内生産であれば大丈夫なことが多い)
■衛生面に配慮されており、陰干しや選択が容易なこと
■軽量で持ち運び容易な形状であり、押入れなどにも簡単にしまえること
■インターネット内で比較評価されており、口コミ評価の高い商品であること
■信頼できるメーカーであり、問合せやクレームに対しての対応が誠実であること
■これまでの販売実績が多く、既存顧客から信頼されていること
■機能と比較して、値段が安いこと
■返品保証があること
おすすめの腰痛マットレス
腰痛や肩こりを軽減できる「寝返りマットレス」は、以下の「雲のやすらぎ」「モットン」「マニフレックス」がおすすめです。
いずれも高反発マットレスですが、機能に大きな違いはありません。
中でも「マニフレックス」はアスリートが愛用する世界的規模のマットレスメーカーなので、寝心地がよく、腰痛対策には最適かもしれません。
アスリートがコンディションを整えるために使用しているマットレスなので、血行や筋肉疲労への効果は間違いありません。
この効果は、エアウィーヴや東京西川のAirも同様です。
最後は価格や好みの問題なので、どれを選択しても間違いないでしょう。
ニトリのマットレスも安くてお手頃ではありますが、やはりマットレス専用メーカーの商品の方が寝返りサポート機能が充実しており、腰痛改善には適していると思います。