概要
マットレスがカビ臭い・・・
寝汗がカビの原因に
人は睡眠中にコップ1杯の汗をかくと言われています。
マットレスを使っていれば、当然、毎日多くの汗を吸収してしまっています。
そんな状態を続けてしまうとマットレスに「カビ」が発生してしまいます。
実際、マットレスの裏に発生するカビにお悩みの方も多いのではないかと思います。
カビは、浴室やキッチンなどの水回り、結露するサッシや窓、タンスの裏などに発生しやすいもの。
つまり「水分」「湿度」「換気がしにくい場所」という3条件がカビの危険サインです。
マットレスはカビが発生しやすい環境
この3条件、マットレスがそのまま当てはまります。
汗と体温による湿気、そして、一度設置するとなかなか動かすことのないマットレスは、まさにカビが好む環境なのです。
カビ発生し繁殖していく条件は、湿度と温度、カビの養分となるゴミです。
一般的に65%以上の湿度があり、20~25℃以上の温度になったときにカビは発生します。
そこに、ハウスダストやダニ、ほこり、皮脂などのゴミが加わると、どんどん増殖していくのです。
一度生えてしまったカビを完璧に消し去ることは簡単ではありません。
また、カビが生えているマットレスで寝ることは重大な健康被害を招く原因にもなります。
衛生的な睡眠環境を保つためにできること、つまり「マットレスの防カビ」を学んでください。
マットレスのカビが健康に与える悪影響
マットレスのカビは健康に重大な悪影響を及ぼす危険がありますので、注意が必要です。
カビの生えたマットレスで寝ている姿を想像してみてください。
明らかに健康によくないことは理解いただけると思います。
カビが人体に与える影響は大きく分けて「皮膚表面に異常が表れる感染症」と「アレルギー反応」の2種類があると言われています。
具体的には、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、肺アスペルギルス症、アトピー皮膚炎などです。
わかりやすいところで言えば、水虫やカンジタも白癬菌というカビの一種が皮膚の角質層に寄生することによって起こる病気です。
これらはカビを吸い込んだり、肌に留めさせることによって症状が出るのです。
特に、免疫力が弱った人や抵抗力のない高齢者や子供はカビの影響を受けやすいと言われています。
病気で寝込んでいるとき、乳幼児が毎日寝るときなど、もしマットレスにカビが生えていたら・・・
考えただけでもゾッとします。
カビ臭いマットレスは健康の大敵です。
カビによる健康被害を受けないためにも、日頃からマットレスは万全のカビ対策をしておく必要があるのです。
マットレスにカビが生える原因
高温多湿な住宅環境
住んでる建物によっても湿度は大きく変わります。例えば、地下の部屋は風通しが悪いため、カビが発生しやすくなります。
また、注意が必要なのが鉄筋コンクリートの建物や高気密・高断熱の戸建住宅です。
気密性が高いということは、裏を返せばそれだけ湿気が逃げていかないということ。これでは結露などが発生しやすく、よりカビが好む環境になってしまいます。
床板の形状
マットレスが接する床板の形状はとても重要です。マットレスとの接地面が板のベッドであったり、フローリングの上に直接マットレスを敷いてるのであれば危険な環境です。
湿気の逃げ場がないので、マットレス内に汗による水分がこもってしまい、カビが発生しやすくなるのです。
収納付きベッド
脚付きで下が空間になっているベッドであればいいのですが、下が収納スペースになっているベッドも通気性を妨害してしまいます。
身体から出た汗は、マットレスを通して、下に放出されるのが理想です。この下の部分の通気性が悪いとマットレスに湿気がこもってしまうので、カビが生えやすくなるのです。
マットレスのカビ予防対策
寝室の湿度管理
湿度の高い寝室は、マットレスにとっては厳しい環境です。特に夏場や梅雨時は湿度が高くなりやすいので、エアコンなどで湿度を管理してください。
冬場でも風邪予防のために加湿器をつけていれば要注意です。
加湿器による湿度の上昇でマットレスのカビ菌は一層繁殖します。
寒くても定期的に喚起をして、湿度を下げる工夫をしてください。
マットレスのメンテナンス
最近は軽くて持ち運びやすい高反発マットレスが発売されていますが、コイルマットレスの場合は重たいのでなかなか干すことができません。
しかし、なにもしなければカビが生えてしまいますので、簡単なメンテナンスをする必要があります。
まず、起床時には必ず掛け布団を剥がしましょう。
起床時は、マットレスに湿気が溜まっていますので、掛け布団全て剥いでしまい、少しでも早く湿気を蒸発させ、乾燥を促進させましょう。
そして、たまにマットレスを壁に立てかけて干してください。
一定の頻度でマットレスを壁に立てかけて風を通します。
日が入る部屋であれば、太陽の光をマットレスに当てるだけでも効果がありますが、マットレスによっては陰干しを推奨している場合があるので、この点はよく調べてみてください。
また、マットレスの前後や表裏を定期的に変えることもカビの発生防止には効果があります。
上下や裏表を変えないままだと、マットレスの湿気も一定の場所に集中してしまう傾向になります。
当然、その場所にカビが発生しやすくなりますので、定期的に前後を変え、さらに表裏を変えます。
1年程度で1サイクルさせるといいでしょう。
さらに、エアウィーヴなどは丸洗いができますので、汗をかいたなぁと思ったら、すぐに洗ってしまうといいでしょう。
自分で洗えない場合は、ふとんクリーニングが便利です。
マットレスと肌が触れないようにする
ソファー感覚でマットレスで寝てしまうのはやめた方がいいでしょう。
マットレスと肌が触れてしまうと皮脂汚れだけではなく、汗がマットレスに染み込んでしまいますので、必ずシーツを敷いてください。
さらに、マットレスパットを使用するとベストです。
シーツに加え、マットレスパットがあると、マットレスが汗をより吸収しづらくなります。
当然ですが、シーツとマットレスパットは定期的に洗濯をすることが大切です。洗えないマットレスの代わりになっているのですから。
マットレスを直接フローリングに敷かない
マットレスを直接フローリングに敷くと、夏場は吸い込んだ汗の抜け口がなくなるため、湿気を閉じ込めてしまいます。
一方、冬はフローリングとの温度差によってマットレス内部に結露が発生しやすくなります。
いずれにしてもカビの原因となってしまいますので、マットレス+フローリングの組み合わせはNGだと覚えておいてください。
除湿シートを使う
意外に効果があるのが、除湿用シートです。
マットレスの下にこの除湿シートを敷くだけで、湿気を吸い取ってくれるのです。
すのこなどと併用すると更に効果的です。
ただ、あまり安い除湿用シートは除湿効果が感じられないと思いますので、比較的高額の除湿用シートの方がお買い得だと思います。
すのこで通気性を確保
マットレスの下に「すのこ」を設置するだけでカビの予防に寄与します。
フローリングで寝る場合にも、フローリングとマットレスの間にすのこを入れてください。
また、ベッドの中にはマットレスと触れる板部分がすのこ状になっているものがあります。
このすのこベッドは、断然通気性が良くなるので、マットレスのカビ予防に最も効果があります。
ベットの下に空間をつくる
ワンルームなどでは収納スペースが足りないので、どうしてもベット下を有効活用したくなりますが、ここに収納ボックスなどを置いてしまうと、マットレスからの喚起を疎外することになり、通気性を悪化させてしまい、カビが生える原因となります。
どうしても収納ボックスを入れなくてはならない場合は、必ず少しでも空間をつくること。
そして、定期的に収納ボックスを出すなどして、換気を心掛けてください。
布団乾燥機を使う
布団乾燥機を使って寝具の湿気を取ってしまうのは有効です。
布団乾燥機を使うことで、マットレスに潜伏しているダニを死滅させることもできるので一石二鳥です。
マットレスに発生したカビの落とし方
ニトリなどの家具量販店で販売されている激安なマットレスは買い替えが前提であることが多いと思いますので、もしカビが生えてしまったのであれば、早めの買い替えをおすすめしたいと思います。
しかし、簡単に買い換えることができないレベルのマットレスであれば、カビを除去する以外にありません。
クリーニングでカビを除去
最も効果的な方法は、マットレスのクリーニングです。
やや高額になりますが、プロにお任せしてしまうのが、最も効率的かもしれません。
表面に目立つカビがなかったとしても、マットレスは皮脂による黄ばみ汚れやダニの寄生などで想像以上に汚れていますので、本来であれば定期的にクリーニングすることが理想です。
近隣のクリーニング店で対応してもえない場合は、インターネット経由での宅配サービスもありますので、最適な方法を探してみてください。
マットレスのクリーニング料金
一般的には10,000円程度です。
それなら買い替えてしまった方がいいという考えもあるかもしれませんが、比較的高額なマットレスで、まだ寿命がある場合には、10,000円程度のコストをかけてでもクリーニングをして、カビのない状態で健康的に睡眠を取る方がよいでしょう。
宅配便で引き取ってくれる布団クリーニングサービスもあるので、使ってみる価値はあると思います。
カビ除去スプレーで除去
マットレスに付着して日の浅いカビなら自分で対応することが可能です。
その対策の筆頭が「カビ除去スプレー」です。
カビキラーやキッチンハイターなどが有用でしょう。
カビキラーなどのカビ除去スプレーを使えば、比較的安全に、かつ容易にカビを除去することができ、殺菌効果も期待できます。
オキシクリーンで除去
消毒用のエタノールやオキシドールも有効で、この方法も殺菌に貢献します。
これらをカビが発生した部分に少し湿る程度に塗り、一時間ほど間を放置します。
その後、ぬるま湯につけた布で拭き取りますが、拭くというよりは叩いてカビを取り切るというイメージかもしれません。
その際は、臭いへのケアも必要です。
臭いを残したままだと睡眠時に気分が悪くなってしまう可能性がありますので、作業後はドライヤーで局所的に乾燥させた上で、風通しの良いところでしっかりと陰干しして、気になる臭いを抜いてから使用することをオススメします。
エタノールやオキシドールは揮発性が高いものの、この拭き取り作業はしっかり行ってください。
また、カビキラーやアルコールなどを薄めたり、混ぜたりして、気になる箇所にスプレーして30分程度浸け置きする方法もあります。オキシクリーンなども有効です。
見えるカビだけではなく、マットレス内部の見えないカビまで死滅させることができるので、マットレスの裏に付いてしまった頑固なカビの除去にも使えます。
また、ファブリーズなどとの併用も有効です。
但し、漂白効果のあるものを使用する場合は色落ちに注意してください。まずは目立たない箇所で確かめてから使用するとよいでしょう。
同時にカビ防止スプレーも合わせて使えば、マットレスのカビ予防対策には必ず役立ちます。
カビが発生したマットレスを処分する
クリーニングに出して、カビが除去されればいいのですが、それでもダメな場合があります。
そのときは、思い切って廃棄するしかありません。
カビが生えているマットレスは価値がありませんので、転売も困難だと思います。
もう捨てるしか選択肢はないと思われます。
もし、新品のマットレスに買い換える場合は、買い替え時にカビの生えたマットレスを処分してもらってください。
粗大ごみとして処分する
ただ捨てるという場合は、粗大ごみとして処分してください。
粗大ごみの捨て方は、各自治体によって違いますので、自治体ホームページなどで確認するとよいでしょう。
数百円から数千円の費用で処分してもらえるはずです。
不用品回収業者で処分する
また、不用品回収業者に依頼するという手もあります。
近所の不用品回収業者なら、電話1本ですぐに回収にきてくれると思われます。
しかし、意外と高い回収費用を請求されることがあります。
一般的には、5,000円~1万円が相場のようですが、これなら粗大ごみに出した方が安いですね。
不用品回収業者に依頼するのは、重くて自分では運べない場合などに限定した方がいいかもしれません。
マットレスのカビに関するまとめ
マットレスは比較的高額商品であり、平均的な寿命は10年~15年と言われていますので、そうそう買い換えるものではありません。
また、一部商品を除いては、簡単に洗うこともできないので、常に衛生的な環境を維持し、カビが発生しないようにして、長期間健康的に寝ることが必要なのです。
エアウィーヴのカビ
エアウィーヴはファイバー製のエア系マットレスなので、水洗いが可能です。
カビの臭いがする場合には、マットレス自体を丸洗いすれば、完全に衛生状態を回復することができます。
但し、アルコールなどの薬剤使用は絶対に避けてください。
ファイバー素材の破損や劣化につながる恐れがあります。
マニフレックスのカビ
マニフレックスは高反発ウレタン素材を使用しているので、カビの除去には注意が必要になります。
まずは、ぬるま湯とタオルを使って汚れを取り、それでもカビが落ちない場合は、アルコールなどの薬剤を使用するようにしましょう。
雲のやすらぎのカビ
雲のやすらぎは通気性のよく、その上、抗菌・抗カビ加工が施されているため、カビが発生しづらいマットレスです。
万が一、カビは発生した場合は、17cmもある圧倒的な厚みが逆に障害になります。
高級な羊毛素材を使っていることもあり、自宅で洗濯することは難しいので、専門のクリーニング業者にメンテナンスを依頼した方がいいでしょう。
モットンのカビ
通気性抜群のモットンは、元々カビが発生しづらい構造である上に、カバーが洗えるので、メンテナンスは容易です。
軽量なので、定期的な陰干しも苦にならないでしょう。
カビ対応においても優位性のあるマットレスです。
このように、マットレスはカビ予防がなにより大切です。
カビを防止するには、高温多湿を避けること。
そして、加湿器を使う冬場などは除湿もしっかり行なってください。
どうしても自分では取り切れないカビはプロの手を借りることをおすすめします。
それでもダメな場合は、思い切って廃棄してください。
カビが発生した状態のマットレスを使い続けると健康に重大な被害を及ぼす可能性が高まります。
健康はお金では買えません。
頑固なカビの場合は、思い切った決断が必要になります。