概要
マットレスはお手入れするもの
毎晩、寝ているマットレスですが「15年も使える人」と「数年で廃棄しなければならなくなってしまう人」がいます。
これは「メンテナンス」の意識の違い、つまり「お手入れの有無」による結果と言えるでしょう。
マットレスは決して安い買い物ではありませんので、できれば長く使いたいもの。
マットレスをなるべく長持ちさせたいのであれば、定期的なメンテナンスを怠ってはいけません。
せっかく高いマットレスを買っても、すぐにダメにしてしまえば無駄な買い物になってしまいます。
そうならないためにも、適切なタイミングでのお手入れが必須。
お手入れを怠り、「ちゃんとメンテナンスしておけば・・・」と後悔してからでは遅いので、大切なマットレスを長く使うための方法を知っておいてください。
マットレスのメンテナンス方法
マットレスのメンテナンスには、簡単にできることから、多少の投資が必要なものまで、いくつかの方法があります。
主な効果的なメンテナンス方法は以下の通りです。
■起床後は掛け布団をめくっておく
■シーツ(敷きパッド)は最低でも週1回のサイクルで交換する
■シーツ交換の際、マットレスの掃除機がけをする
■マットレスパッドは2ヶ月に1回程度のサイクルで洗濯する
■除湿シートは2週間に1回程度のサイクルで乾かす
■マットレスを定期的に配置交換する
起床後は掛け布団をめくっておく
几帳面な人は、寝起きですぐ、ホテルや旅館のようなベッドメイキングをしてしまいます。
掛け布団をきれいに元の位置に配置してしまうのです。
見た目はきれいで清々しいのですが、これでは掛け布団とマットレスの中に湿気が溜まってしまいます。
朝起きたてのマットレスは、睡眠中の汗(約コップ1杯)で湿った環境になっています。
その状態にも関わらず、マットレスを掛け布団で覆ってしまうと、湿気の逃げ場がなくなり、マットレスが乾きにくくなってしまいます。
また、湿気の多い環境では、雑菌などが繁殖しやすく、カビやダニの発生が懸念されます。
起床後は、掛け布団をめくっておいたり、足元にまとめておくようにしましょう。
これならコストはかからず、習慣付ければ苦もなくできること。
毎日の行動でマットレスの寿命を伸ばすことができるのです。
シーツは最低でも週1回のサイクルで交換
シーツ(敷きパッド:シーツの代用品で肌に直接触れるもの)は、週に1回のペースで洗濯しましょう。
その際はゆっくり丁寧に行ってください。
シーツ(敷きパッド)の上には皮膚やフケ、ホコリなどの目に見えない汚れが蓄積されています。
これらはダニの大好物なので、マットレスの上に落としてしまうと、マットレスの表面でダニが繁殖してしまう可能性が高くなるのです。
表面を内側に包み込むようにして、汚れを拡散させないように洗濯機まで持って行きましょう。
シーツ交換の際、マットレスの掃除機がけをする
シーツを交換する際、どうしてもマットレスの表面に小さなゴミが落ちてしまいます。
目に見えない程度の小さなホコリでも、ダニにとっては格好の食料になってしまうので、すぐに除去する必要があります。
ダニは発見が困難です。
「自分のマットレスにダニはいない」と信じ込んでいる方が多いのですが、その過信が危険なのです。
布団クリーナー、またはハンディ掃除機で表面のゴミを吸い取るだけで、マットレスの衛生環境は驚くほど違ってくるのです。
油断せず、定期的に掃除機がけをする習慣を付けてください。
マットレスパッドは2ヶ月に1回程度のサイクルで洗濯する
「マットレスに茶色い斑点が付いている」という経験はないでしょうか。
シーツを使っていてもマットレスは汚れてしまうのです。
そのために使うのが「マットレスパッド」です。
マットレスを汚さないために、シーツの下にもう1枚、マットレスパッドを敷いてください。
このマットレスパッドも2ヶ月に1回程度は洗濯するといいでしょう。
シーツは万能ではありません。
寝汗や皮脂汚れなどは、シーツを通り越してベッドパッドにも浸透し、汚れを付着させています。
マットレスパッドも気づかないうちに汚れているのです。
ダニ対策の一環として、マメな選択が必須なのです。
除湿シートは2週間に1回程度のサイクルで乾かす
三つ折りマットレスをフローリングに直接敷く場合などは、マットレスの下には除湿シートを敷くことをおすすめします。
フローリングとマットレスの間に溜まってしまう湿気を吸収してくれるので、マットレスを長持ちさせることができるのです。
但し、除湿シートもメンテナンスが必須です。
吸った湿気を吐き出させるため、2週間に1回程度は除湿シートを乾かしてください。
除湿シートを取り出して天日干しすれば、すぐに機能が回復します。
マットレスを定期的にローテーションする
マットレスは体の一番重たい部分である「腰付近」に最も荷重がかかります。
そのため、マットレスの真ん中付近(腰部分)がヘタりやすくなるので、定期的なローテーションをする必要があります。
上下の入れ替えだけではなく、裏表のローテーションも行ってください。
上下左右を入れ替えることにより、マットレスの劣化を遅らせることができるのです。
マットレスのクリーニング
カビが生えてしまったマットレスのメンテナンスは難しいので、プロに任せる方がいいでしょう。
最近は宅配用のマットレス専門クリーニングサービスがあります。
引き取りから納品まで、すべて宅配便で対応できるので、わざわざクリーニング店まで持ち込む必要はありません。
夏場の蒸し暑い夜に、たっぷりと汗を吸い込んでしまったマットレスは、一度プロのクリーニングで洗ってもらった方がいいかもしれません。
特に赤ちゃんや小さいお子様のいる家庭では健康被害が出る前に睡眠環境を整えておいた方がいいでしょう。
マットレスを干す
マットレスを立てかける
今まで布団で寝ていた方は、マットレスも天日干ししようとしますが、必ずしもその必要はありません。
天日干しOKのマットレスもありますが、むしろ、天日干しはデメリットの方が多いとお考えください。
日光により生地が傷んだり、熱によりウレタンが劣化しやすくなるばかりか、エアウィーヴなどのファイバー素材のマットレスの場合、熱で溶けて変形してしまうリスクもあるのです。
マットレスにとって最適なメンテナンスは「陰干し」です。
室内で日陰になり、風通しのよい場所に立てかけておくだけで大丈夫。
直射日光を避け、湿気を飛ばすために風を当てる。
これを2日に1回できればベストですが、難しければ1週間に1回でもいいでしょう。
干す時間は数時間でOKです。
これがベストなメンテナンスなのです。
お手入れしやすいマットレス
定期的なメンテナンスのためには、マットレスが「軽いこと」が条件になるでしょう。
特に女性や高齢の方の場合、軽いマットレスでなければ移動させることが難しくなります。
重く、持ち運ぶのが困難なため、ついメンテナンスを怠ってしまい、マットレスの寿命を縮めてしまうパターンは本当にもったいない。
重いマットレスであるがために、ローテーションもできないという事例も多いようです。
マットレスを購入する際は、その重量を選択のポイントに入れ、高反発のウレタンマットレスを中心に、移動しやすく、メンテナンス性に優れたマットレスを選ぶようにしましょう。