現代の日本では、オフィスワークや運動不足などにより、腰を中心に体の痛みに悩んでいる人が増えています。
原因や症状は人によって様々ですが、就寝中の姿勢によって痛みが出ることがあるので注意が必要です。
最近は、国内外の様々な寝具メーカーが腰や肩に負担がかからないマットレスの開発・販売を行っています。
快適な寝具を使って、質のよい睡眠を取れるように気を配っている人も増えています。
概要
腰の痛みの種類と原因
中高年世代になると、男性も女性も腰痛に悩む人が増えてきます。
腰が痛くなるのは、腰椎やその周りの筋肉の異常によることが多いのですが、これ以外の原因により発症するケースもあります。
具体的には、筋肉の疲労や血流の悪化、ストレス、神経の圧迫、内臓疾患なども腰の痛みの原因になります。
もちろん、ひとつだけでなく、複数の原因によって腰に痛みが出ることもあります。
長時間にわたって同じ姿勢で仕事をする職業の人は、腰に負担がかかります。
デスクワークが多い人は、自分でクッションを持ち込んで腰の負担を軽減するように工夫している人も少なくないでしょう。
女性の場合、長時間のデスクワークや立ち仕事が多い販売の仕事をしている人は、腰や肩の痛みを抱えているケースが多いと思われます。
男性の場合は、重い荷物を上げ下げする運送関係の仕事をしている人や、筋肉疲労が激しいスポーツ選手などは、慢性的な腰の痛みに悩んでいる人が少なくありません。
自己判断で対処すると、悪化することもあるので、腰痛がなかなか治らない場合は、早めに専門医に相談した方が安心です。
ストレスが原因の腰痛
腰痛の原因は千差万別ですが、腰痛の約80%はMRI検査でも原因が特定できない「非特異性腰痛」だと言われています。
整形外科などで詳しく検査をしても明確な理由がわからないのです。
しかし、最近の研究によると、このタイプの腰痛は主にストレスが原因なのではないかということがわかってきてるのです。
ストレスにより、脳の一部の活動が鈍くなり、それが原因でなぜか腰に痛みを感じてしまうと言うのです。
背骨の歪みによる腰痛
比較的原因が明確である腰痛の中で、一般的に多いのが「姿勢の悪化による背骨の歪み」でしょう。
前かがみや直立した姿勢で仕事をしていると、腰の筋肉に大きな負担がかかってしまいますので、一定の姿勢をとらないように適度な運動を心がけるなどして、筋肉の負担を軽減するようにしてください。
また、激しい運動により腰痛を引き起こす場合もあります。
特にゴルフは、止まった姿勢から急激に腰の筋肉を使うので、疲労が蓄積してしまう腰に悪いスポーツです。
さらに、ゴルフによる腰痛には年齢による筋肉の衰えがあることも忘れてはいけません。
ゴルファーの多くは40代以上男性ですが、若い頃はできていたことが、自覚のない筋肉の衰えにより、できなくなってしまうことがあり、それにより筋肉を痛めてしまうことがあるのです。
さらに、骨の老化も腰痛の原因になります。
高齢者の腰痛は、筋肉よりも骨や関節が原因の場合が多いのです。
腰の痛みの実態
肥満と腰痛
腰は、体重を支えている重要な部位ですが、体重を支えるのは脊椎だけなので、腰周辺にある筋肉や椎間板、靭帯には、いつも負担がかかっている状態です。
標準体重をオーバーしている人は、その分腰に負担がかかっていると考えるべきでしょう。
日本では、食生活の欧米化により、肥満に悩む人が増えています。
脂肪が増えて筋肉よりも割合が多くなると、骨や靭帯には多大な負荷がかかります。
体に脂肪が蓄積されると、背骨のカーブもゆがみが起こりやすくなり、腰椎や椎間板、関節に負荷がかかって腰に痛みが出やすくなるのです。
運動不足の人は、短時間でも簡単なエクササイズをして体を動かし、栄養バランスを考えた食事を取るようにすることが大切です。
ウォーキングは、肥満にも腰痛にも効果的です。
適度な運動によって筋肉が付くと、腰を支えることができるようになって腰の負担が軽減されます。
食事は、良質のタンパク質や野菜を積極的に摂取して、よく噛んで食べることがポイントです。
腰の構造と痛みの関係
人間の体は、脊椎から骨格が広がっています。
腰椎の一部が腰ですが、椎骨の間には椎間板があり、クッションのような役割を担っています。
脊椎が正常であれば、横から見てゆるやかなS字になっています。
S字カーブによって体のバランスが保たれているのです。脊椎は弾力があるので、自由に曲げ伸ばしができます。
脊椎は、様々な動作に柔軟に対応できるようになっていますが、その反面、ゆがみが出やすいのです。
脊椎がゆがむと、体のバランスが乱れて腰が痛む原因になります。
脊椎がゆがみは、動作にも影響が出て、筋肉の疲労やコリが引き起こされます。
日本人は、猫背の人が多いのですが、猫背の状態が続くと、さらに体のバランスが悪くなり、脊椎に負担がかかって慢性の腰椎症になるリスクも高くなります。
腰は、多くの負担がかかりやすい部位なので、普段からケアを怠らないことが大切です。
主な腰痛対策
腰痛の原因や症状は人によって千差万別です。
さらに近年の研究で、腰痛の原因は脳の疲労であり、腰そのものが悪いわけではないことが分かってきていると言います。
そのため根本的な原因はストレスを解消し、脳を休めることではないかと言われていますが、それでも腰そのものに根本原因があることもあるので、どうしても対症療法的な治療が行われているというのが現実なのです。
具体的には程度によって異なりますが、以下のような治療が主なものになるでしょう。
湿布を貼る
まず整形外科に行くと出してもらえるのが湿布です。
これを患部にあて温める、もしくは冷やすということにより、筋肉の損傷を抑えていくということになります。
軽度の腰痛であればこの方法で改善することもありますが、多くの場合は一時的な対症療法であり、根本的な解決とはならないのです。
マッサージ
筋肉のコリをほぐすための方法です。
整骨院や整体院、または鍼灸院などに行き、患部およびその周辺の筋肉をほぐしていくことになります。
筋肉疲労による腰痛の場合は、このマッサージが有効になりますが、逆に筋肉を安静にさせることが必要な腰痛もあるため、全く逆効果になってしまうこともあるのです。
整形外科からの薬服用
主に湿布と併用されることが多い服用薬という治療法です。
腰痛の原因となっている筋肉の硬直をほぐすために薬を活用とするというやり方です。
また痛みを散らすための鎮痛剤と言う意味合いも含まれています。
ブロック注射
腰および臀部周辺に注射を打ち、筋肉の癒着を薬剤によって引き離すというのがこのロック注射です。
激しい痛みを伴うため、あまり人気のある方法ではなく、また効果も一時的なため、あくまで対症療法という位置づけで考えた方が良いと思います。
腰痛体操
腰痛の原因は主に筋力の低下と言われています。
特に腰周辺の腹筋と背筋の筋力の低下により、腰に負担がかかりそれが慢性化して、重度の腰痛になっていくというパターンが多いと言われているのです。
そのため腹筋と背筋を鍛え、自分の筋力によって腰をサポートしていくという考え方ですが、特に高齢者の場合は簡単に筋力が回復するわけではないので、長期的な対策として考えておくべきでしょう。
腰痛を睡眠で治す?
このように腰痛の改善方法はいくつかありますが、決してこれだけでは治らないと言っても間違いではありません。
前述の通り、腰痛は脳の疲労であると言われています。
そのため、なんといっても「睡眠」が重要になってくるのです。
その理由は「快眠することにより、日々のストレスを改善し、脳を正常な状態にするため」と「睡眠姿勢による骨格の矯正」です。
快眠が脳に与える影響
脳の疲労回復には、なにより快眠が不可欠であることは説明の必要はないでしょう。
十分な睡眠が取れれば、脳の疲れは回復し、自然とストレスも軽減されるので、自ずと腰痛も緩和されるのです。
睡眠姿勢の重要性
腰に負担をかける姿勢で寝ていれば、日々腰痛の治療行ってもほとんど意味がありません。
睡眠姿勢が悪いというのは、せっかく治療しても夜寝ながらまた腰痛を悪化させているようなものなのです。
そのため睡眠時の姿勢が極めて自然な形であり、無理なく寝返りが打てるなど、体をサポートしてくれる機能性の高いマットレスが必要になってくるのです。
つまり、整体や整形外科による治療に加え、睡眠を考えることによって、総合的に腰痛を改善していこうという考え方が必要になってくるのです。
腰痛の予防および改善するマットレスとは
人は仰向けで寝るとき、お尻と腰の間に少しすき間ができてしまいます。
これを「S字カーブ」と言いますが、このS字カーブを自然なかたちで維持することが重要になってきます。
具体的には、下図の一番上の状態です。
一方、柔らかすぎるマットレスでは、重たい腰が沈み込んでしまうため、腰に負荷がかかりすぎてしまいます。
上図の中段がその状態です。
また、硬すぎるマットレスもお尻と腰のすき間がなくなってしまうので、圧迫感があるでしょう。
実はこの状態で寝ているときも、腰に大きな負担がかかることになっているのです。
床が固い場合やマットレスが硬すぎる場合を想像してみてください。
板の上で寝られますか?固く寝心地が悪い上に、腰が痛くなるイメージが湧きませんか?
固いところで寝る方が健康に良いと言われますが、決してそんなことはありません。
快眠には適度な柔らかさが必要になるのです。
腰痛防止にはマットレスの選び方が重要
日本では、質のよい睡眠が健康に不可欠なので寝具にこだわる人が増えています。
ネットショップやデパートでは、腰痛対策のマットレスが売れています。
腰痛対策用の製品は、メーカーによって様々な工夫がされていますが、基本的にはS字カーブの状態を保持できるように作られています。
具体的には、適度な反発があってリラックスできること寝姿勢を維持できるよう工夫されているのです。
体圧分散に優れたマットレス
さらに言えば、圧力が分散されて、無理なく寝返りができる製品が売れています。
その条件を満たしており、特に人気があるのが「高反発マットレス」です。
高反発タイプのマットレスは、圧力が加えられると素早く反応して元の状態に戻ろうとするので、腰の部分が沈むことなく、体全体に圧力が分散されるため、理想的なS字カーブを描いて眠ることが可能です。
高反発タイプの寝具は、リラックスした姿勢を自然に取ることができるので、腰や肩が痛む人や、筋力が落ちてしまった高齢者にも人気があります。
日本では、インターネットの普及により自宅に居ながら高い機能を持つマットレスを選ぶことができます。
最近は、安心して購入できるように、返品保証などの様々な特典がついた製品も多くなっていますし、運搬も容易になっています。
マットレスと健康はイコール
人間は、睡眠中に1日の疲れを取り、細胞の修復が行われます。
ですから、質の良い睡眠を十分に取ることが健康の維持にとって重要なのです。
無理のない姿勢で快適な睡眠を取ることができれば、疲労が残らずフレッシュな気持ちで朝を迎えることができます。
つまり、マットレス選びは健康維持と直結しているということです。
但し、寝具は、メーカーによって内容やサービスが違うので、選び方を間違えないことが大切です。
ブランド名や価格などに惑わされないように、本当に自分に合ったマットレスを選ぶ必要があるのです。
腰痛改善マットレスのポイント
おすすめは高反発マットレス
基本的には腰痛の症状によって使うべきマットレスは違ってきますが、総じて「高反発マットレス」がおすすめだと思います。
人間は直立している状態が最も自然であり、腰に負担がかからないと言われています。
そのため、寝ているときの姿勢もこの状態に近いものがベストということになります。
これを実現できるのが高反発マットレスなのです。
低反発マットレスはNG
低反発のマットレスは、腰の部分が必要以上に沈んでしまい、その結果、腰に負担がかかってしまいます。
いわゆる「支持性がない」という状態です。
調子のいい時にはわかりませんが、症状が悪くなった場合、朝起きた時に体がバリバリになってしまい、全く動けなくなってしまったというような事例が出てしまうのが、低反発マットレスなのです。
つまり、必要以上に体を包み込んでしまうため、逆に自由が利かなくなるのが低反発マットレスの欠点なのです。
また、低反発マットレスは、マットレスと体が完全に密着してしまうので、夏場はとても暑く、とても寝ていられないというようなことが起こってしまうのです。
さらに、汗が染みこんでいきます。マットレス自体にそれなりの重量があるので、簡単に干すことができません。
その上、スポンジに近い素材なので、その中に汗が染みこんでいってしまい、衛生面でもやや問題があります。
快眠によりストレスをなくし、さらに骨格や筋肉を調整することで腰痛を改善するという考え方を取るのであれば、低反発マットレスはそれが実現できるかどうかは疑わしいと思います。
もちろん腰痛の症状や年齢や体重など、いろいろな条件によって異なってきますので一概には言えませんが、やはり腰痛を改善するためには「高反発マットレス」を選ぶべきでしょう。
インターネットの書き込みを見ても、総じて高反発マットレスの評価が高いようです。
多くの人の意見からも分かるとおり、腰痛を改善するためには、「高反発マットレス」が適していると言っても間違いないでしょう。
腰痛マットレスを紹介しているテレビ番組
NHKの人気番組「ためしてガッテン」で腰痛特集をやっていました。
内容は「睡眠時の姿勢が腰痛と密接に関係している」ということでした。
もっとわかりやすく言うと、寝返りの回数が多い人は腰痛になりにくく、寝返りの回数が少ない人は腰痛になりやすいとの学術研究が発表されたというものでした。
つまり、布団の中で暴れるように寝る、寝相の悪い人は腰痛になりづらい。
逆に寝相の良い人が腰痛になるというのです。
詳しいメカニズムはこうです。
睡眠時、体重の4割が腰にかかってきます。
当然、腰の周辺の筋肉が収縮するので、血流が悪くなり、酸欠状態になります。
これにより、筋肉が疲労し痛みを発症する。
さらに、その状態を放置すると腰周辺の靭帯も損傷するので、痛みは増します。
肉離れなどの筋肉の痛みを放置したままスポーツをして、靭帯を痛めてしまうというパターンに似ていますね。
つまり、睡眠時の腰はスポーツをしているような負荷がかかっているということなのです。
この負荷を適度な寝返りで分散させれば、筋肉の過度の収縮が予防でき、腰痛が防止できるということなのです。
つまり、適度な寝返りが睡眠時には必須で、それが腰痛対策になるということ。
そのために必要なのは適度な硬さのマットレスで、やわらかすぎるマットレスはダメだと、東京大学医学部の先生も言っていました。
やわらかすぎるマットレスでは、お尻(腰)が沈んでしまうので、腰椎が曲がってしまいます。
その結果、じん帯が伸びてしまい、寝返りが打てなくなってしまうのです。
低反発マットレスが医学的にも劣っていると証明されているのです。
やはり高反発マットレスの方が腰痛対策には適しているのです。
おすすめの腰痛マットレス比較
ニトリの腰痛マットレス
腰痛に効果のあるマットレスの選び方は、まず「高反発」であることを優先してください。
但し、高反発マットレスならなんでもいいというわけではありません。
ニトリなど、安さをウリにしているマットレスの中には、名前だけの高反発マットレスも多いのです。
安いマットレスは、素材や製法、生産国など、実際の目に見えないところでコストを削減しています。
場合によっては、健康被害が出る薬剤などを使っているケースも報告されています。
特に赤ちゃんや小さいお子様がいるご家庭では、粗悪品のマットレスは危険が大きいと思います。
マットレスの性能は価格に比例すると言っても過言ではないので、安いからと言って安易に購入すると後悔することになるかもしれません。
腰痛マットレス人気NO1は「モットン」
おすすめの高反発マットレスの代表格といえば、やはり「モットン」でしょう。
性能が高く、腰痛が緩和したという口コミや評判が多数あります。
また、軽くて持ち運びが容易なので、簡単に干すことができます。
これなら衛生的な状態を長期間維持できるので、マットレスの寿命も伸びるでしょう。